宮崎県での海洋散骨を考えている方へ向けて、この記事では宮崎県でのおすすめの海洋散骨業者をご紹介します。また、海洋散骨サービスの料金や注意点もあわせて解説しますので、海洋散骨に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。
海洋散骨とは
海洋散骨とは、故人の遺骨をパウダー状に粉骨処理した後、海に散布する葬送方法です。近年、お墓の継承者不足や、自然に還りたいという故人の遺志、費用面での負担軽減といった理由から、従来の葬送方法に代わる選択肢として注目を集めています。散骨は、供養の費用を抑えながら自然の中で永遠の眠りにつける弔いの形として、多くの人々に選ばれています。
なぜ海洋散骨を選ぶ人が増えているのか?
近年、従来の葬送方法ではなく、海洋散骨を選択する人が増えています。従来のお墓とは異なるこの埋葬方法が注目を集めている背景には、さまざまな理由があります。
継承者問題の解決
少子高齢化が進み、お墓の継承者がいない、あるいは継承者がいても遠方に住んでいて管理が難しいといった問題を抱える家庭が増えています。海洋散骨は、墓地の継承を必要としないため、継承者問題の解決策として有効です。また、海洋散骨には散骨した場所がわからなくなるというデメリットもありますが、近年ではGPS情報などを提供することで、散骨場所を記録できるサービス(散骨証明書)も登場しています。
供養の費用を抑えられる
海洋散骨は、従来の埋葬方法と比較して費用を抑えやすいサービスです。従来の供養方法では墓石の購入や墓地の永代使用料、年間の管理費などが必要になりますが、それらの費用が不要となるため、経済的な負担を軽減できます。費用面でのメリットは、特に高齢者や経済的に余裕のない人にとって大きな魅力となっています。
供養のスタイルの多様化
近年、供養のスタイルが多様化しており、従来の形式に捉われない自由な供養方法が求められています。海洋散骨は、故人の希望や遺族の想いに合わせた柔軟な対応が可能なため、多様なニーズに応えることができます。たとえば、散骨する場所や日時、散骨の方法などを自由に選択できる業者も増えており、故人らしい最期を演出することが可能です。
海洋散骨のメリット・デメリット
海洋散骨には、さまざまなメリットとデメリットがあります。ひとつずつチェックしていきましょう。
海洋散骨のメリット
経済的な負担が少ない
海洋散骨は、従来のお墓に比べて費用を抑えることができる供養のスタイルです。墓石の購入や墓地の永代使用料、管理費などが不要なため、経済的な負担を軽減することができます。散骨にかかる費用は、プランや業者によって異なりますが、委託散骨であれば数万円から、チャーター散骨でも数十万円程度が相場です。お墓を建てるよりも費用を抑えられるケースが多く、ここが海洋散骨の大きな魅力のひとつです。
墓じまいの必要がない
近年の少子高齢化や核家族化などにより、お墓を継承してくれる子孫がいない家庭が増えています。そうしたときに選ばれるのが「墓じまい」です。しかし、墓じまいには、さまざまな手続きや費用、そして精神的な負担が伴います。海洋散骨を選択すれば、将来的に墓じまいをする必要がなくなります。墓じまいに必要な手続きの負担から解放されるのです。
宗教や宗派を問わず実施できる
海洋散骨は、特定の宗教や宗派に縛られることなく実施できるスタイルです。宗教的な制約にとらわれず、故人の遺志や家族の想いに沿った形で供養を行ないたいという方に適しています。また、無宗教の方や、異なる宗教を信仰する家族がいる場合でも、問題なく選択できます。
自然志向の供養ができる
自然豊かな海に還る海洋散骨は、自然を愛した故人にとってふさわしい供養と言えます。海を愛した故人の思い出と共に、自然に包まれるような穏やかな気持ちで故人を偲ぶことができます。また、環境への負荷が少ないという点も、自然志向の方にとって大きなメリットです。
海洋散骨のデメリット
遺骨の場所(散骨した場所)がわからなくなる
海洋散骨では、具体的な散骨場所がわからなくなります。そのため、特定の場所でお墓参りをしたいという方にはあまり向いていません。ただし、業者によっては散骨場所の緯度経度を記した散骨証明書を発行してくれる場合もあります。また、GPS情報を利用した散骨ポイント記録サービスを提供している業者もいます。散骨場所を記録しておきたい方は、事前に業者に確認しておくことがおすすめです。
親族の理解が得られない場合がある
海洋散骨は、まだ新しい供養のスタイルであるため、親族間で理解が得られないケースもあります。特に年配の方の中には、従来のお墓での供養を望む方が少なくありません。海洋散骨を行なう際は、事前に親族間で十分に話し合い、理解を得ることが大切です。それぞれの想いを尊重し、納得のいく形で供養方法を決定するのがおすすめです。
法律やマナーに配慮する必要がある
海洋散骨は、法律やマナーに則って行なう必要があります。たとえば、遺骨をそのまま散骨することは禁止されており、粉骨処理を行なう必要があります。また、散骨場所についても、漁業関係者や周辺住民への配慮が必要になります。散骨業者に依頼することで、これらの手続きやマナーについて適切なアドバイスを受けることができます。
散骨が季節や天候に左右される
海洋散骨は、天候に左右されるため、希望の日程で実施できない場合があります。特に、台風シーズンや冬季は、海が荒れることが多いため、散骨が延期または中止になる可能性があります。散骨を検討する際は、予備日を設定しておくなど、柔軟な対応が必要です。
海洋散骨の料金プラン
海洋散骨の料金は、選択するプランや業者によって大きく異なりますが、大きく分けて「委託(代行)散骨プラン」「合同(乗り合い)散骨プラン」「チャーター散骨プラン」の3種類があります。それぞれのプランの特徴と料金相場を見ていきましょう。
委託(代行)散骨プラン
料金相場:3万円~10万円
委託散骨プランは、散骨に関わる作業をすべて業者に委託するプランです。故人の遺骨を業者に預け、散骨業者のみで海洋散骨を行ないます。基本的に依頼者は立ち会いません。そのため、他のプランと比べて費用が抑えられます。遠方に住んでいる遺族や、日程調整が難しい遺族に適したプランと言えます。
合同(乗り合い)散骨プラン
料金相場:5万円~15万円
合同散骨プランは、他の依頼者と合同で散骨を行なうプランです。費用を分担するため、チャーター散骨プランよりも安価に散骨を行なうことができます。プライベートでの散骨は難しいですが、他の遺族と想いを共有できるというメリットがあります。一方で、日程や時間が固定されている場合が多く、希望日に散骨できないこともあります。
チャーター散骨プラン
料金相場:10万円~50万円
チャーター散骨プランは、船を貸し切って散骨を行なうプランです。故人とゆかりのある場所や、希望する海域で散骨を行なうことができます。また、家族や親族だけで故人を偲び、ゆっくりとお別れをすることができます。他のプランと比べて費用は高くなりますが、自由度が高いため、特別な想いを込めて散骨を行ないたい方におすすめです。
宮崎県で海洋散骨ができる場所
宮崎県は美しい海岸線が長く続く自然豊かな地で、海洋散骨に適した場所が数多くあります。ここでは、宮崎県で海洋散骨が可能な代表的なエリアを3つご紹介します。
日向灘沖(ひゅうがなだおき)
宮崎県の東部に広がる日向灘は、黒潮の影響を受ける温暖な海域で、透明度が高く美しいことで知られています。穏やかな波と青い海が広がり、散骨にふさわしい静謐な雰囲気に包まれています。日向灘沖には、さまざまな海洋生物が生息しており、豊かな自然の中で故人を偲ぶことができます。また、アクセスも良く、宮崎市や延岡市などから船でアクセスできます。多くの散骨業者も日向灘沖を散骨ポイントとして設定しています。
日南海岸沖(にちなんかいがんおき)
宮崎県南部に位置する日南海岸は、奇岩や洞窟が織りなす美しい景観で有名な観光地です。エメラルドグリーンの海と白い砂浜のコントラストが美しく、故人を送るのにふさわしい荘厳な雰囲気を醸し出しています。穏やかな波と温暖な気候も、散骨に適した条件と言えます。また、陸地から比較的近い場所での散骨も可能で、故人との最後の別れを静かに過ごしたいという方にもおすすめです。
大島沖(おおしまおき)
日南海岸国定公園に属する大島は、周囲約9.4kmの島で、亜熱帯性植物が茂る自然豊かな島です。周囲の海域は、サンゴ礁や熱帯魚が生息する美しい海で、ダイビングスポットとしても人気があります。大島沖は、手つかずの自然が残る静かな海域で、故人を自然に還したいという方に最適な場所です。周囲を海に囲まれた孤島であるため、プライバシーが守られ、静かに散骨を行なうことができます。
これらの他にも、宮崎県には散骨に適した場所が数多くあります。散骨業者に相談すれば、故人の希望や遺族の想いに合った最適な場所で散骨を実施することができます。
宮崎県でおすすめの海洋散骨業者6選
大切な故人の最期を、雄大な宮崎の海で飾りたい。そんな方のために、宮崎県でおすすめの海洋散骨業者を厳選して7社ご紹介します。それぞれの業者の特徴やサービス内容、料金プランなどを比較検討し、ご自身にぴったりの業者を見つけてください。
株式会社Aクルーズ(みんなの海洋散骨)

株式会社Aクルーズは、全国で海洋散骨を実施している信頼性が高い業者です。宮崎県では、日南市の美しい海域で、海洋散骨を実施しています。同社は、粉骨から散骨までを自社で一貫して行なうことで、中間マージンを削減。これにより、費用を抑えた海洋散骨サービスを実現しています。
また、厚生労働省の「散骨に関するガイドライン」を遵守し、環境や周囲への配慮を徹底しています。プランには、代行委託散骨(44,000円~)、合同乗船散骨(132,000円~)、貸切乗船散骨(220,000円~)などがあり、利用者のニーズに合わせた柔軟な体制を構築しています。
料金
委託(代行)散骨プラン:44,000円(税込)~
合同散骨プラン:132,000 (税込)~
チャーター散骨プラン:242,000円(税込)~
宮崎市での散骨はやさしい海洋散骨
LDT株式会社が運営する「やさしい海洋散骨」は、宮崎県日南市の外浦港から出港し、故人を自然に還す新しい供養の形として、多くのご家族に選ばれています。同社は、代理プラン(55,000円)、合同プラン(159,500円)、貸切プラン(269,500円)など、多様なニーズに応じたプランを提供しており、ペットの散骨にも対応しています。また、ミニ骨壺や遺骨リングなどのオプションも充実しており、手元供養を希望する方にも配慮しています。これらの特徴から、「やさしい海洋散骨」は、多くのご家族に信頼され、選ばれています。
料金
委託(代行)散骨プラン:55,000円(税込)~
合同散骨プラン:159,000円(税込)~
チャーター散骨プラン:269,500円(税込)~
株式会社 家族葬のファミーユ(家族葬のファミーユ)
株式会社家族葬のファミーユは、明朗会計が魅力の業者です。同社では、個人散骨(242,000円)、合同散骨(132,000円)、代行散骨(55,000円)とシンプルな価格設定となっています。また、乗船時の記念写真や海洋散骨証明書が無料と、利用者思いのサービスを提供している点も魅力です。安心して依頼できる業者のひとつと言えます。
料金
代行散骨:55,000円
合同散骨:132,000円
法要クルーズ:165,000円
個人散骨:242,000円
Nプラン株式会社(うみと大地の自然葬)

Nプラン株式会社が提供する「うみと大地の自然葬」は、宮崎県を含む九州エリアで海洋散骨を実施している業者です。同社は、粉骨から散骨までを一貫して行ない、特に水溶性袋を使用した散骨方法により、遺骨を余すことなく海へ還すことができます。また、チャーター散骨では、人数に応じた柔軟な料金設定を採用しており、利用者のニーズに合わせて対応してくれます。
料金
チャーター散骨プラン:240,000円~
LDT株式会社(やさしい海洋散骨)
「やさしい海洋散骨」は、宮崎市を拠点にサービスを提供し、数多くの実績を積み重ねてきた業者です。同社の最大の特徴はシンプルな料金体系で、代理の散骨(委託散骨)なら44,000円で依頼することができます。また、エリア指定や日時指定ができる委託散骨なら60,000円で依頼可能です。もちろん、合同散骨や貸切散骨など、多様なニーズに応じたプランも用意されています。
料金
委託(代行)散骨プラン:44,000円~
合同散骨プラン:159,000円~
チャーター散骨プラン:297,000円~
株式会社LikeFamily(ライクファミリー)

株式会社LikeFamily(ライクファミリー)は、充実したサービスが定評の業者です。粉骨処理から献花、折り鶴の用意、お茶菓子の提供、散骨の様子の写真撮影、散骨証明書の発行まで、各プランに多彩なサービスを含んでいます。最後のお別れに相応しいサービスを提供してくれます。また、墓じまいや遺品整理など、ライフエンディングに関する幅広いサービスも提供しており、利用者の幅広いニーズに応じて柔軟に対応してくれるのもポイントです。
料金
委託(代行)散骨プラン:55,000円(税込)
委託(代行)散骨チャータープラン:88,000円(税込)~
チャーター散骨プラン:275,000円(税込)
メモリアルチャーター散骨プラン:110,000円(税込)
海洋散骨業者の選び方
大切な故人の海洋散骨を安心して任せるためには、信頼できる業者を選ぶことが重要です。数ある業者の中から最適な業者を見つけるためのポイントを解説します。
宮崎県での実績があるか
海洋散骨は地域によって海の状況や条例、慣習などが異なる場合があります。宮崎県での豊富な実績を持つ業者を選ぶことで、地元の事情に精通した適切なサービスを受けることができます。ホームページや資料などで、宮崎県での散骨実績や件数、対応エリアなどを確認しましょう。具体的な散骨実績として、日向灘、日南海岸、大島沖など、宮崎県内の具体的な海域での実績が明記されているとなお良いでしょう。
許認可や協会へ加盟しているか
海洋散骨に関する明確な法律はありません。しかし、海洋散骨する際には、ガイドラインを遵守し、倫理的に適切な運営を行なう業者を選ぶことが大切になります。一般社団法人日本海洋散骨協会などの業界団体への加盟状況などを確認し、信頼性の高い業者を見極めましょう。また、海洋散骨事業に関連する許認可(船舶系の許認可など)の有無も確認しておくことがおすすめです。
葬祭ディレクターなどの有資格者がいるか
葬祭ディレクターなどの有資格者が在籍している業者であれば、専門知識と経験に基づいた適切なアドバイスやサポートを期待できます。故人の希望に沿った散骨プランの提案や、遺族の心のケアなど、きめ細やかな対応を提供してくれるでしょう。また、資格の種類や保有者数なども確認しておくと、より安心です。
料金が明瞭であるか
海洋散骨の料金体系は業者によってさまざまです。料金プランの内容や追加料金の有無などを事前にしっかりと確認し、不明な点があれば問い合わせて明確にしておきましょう。ホームページなどで料金が明確に表示されているか、散骨の内容と料金が見合っているか、追加費用が発生する場合はどのような場合かなどを確認することが大切です。また、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することもおすすめです。
アフターサポートが充実しているか
海洋散骨では、散骨後のアフターサポートも重要な選定基準となります。業者の中には、散骨証明書の発行や、散骨時の写真や動画の提供、後日同じ海域への献花クルーズなどのサービスを提供しているところもあります。どのようなアフターサポートがあるのか、内容や費用などを確認しておきましょう。
口コミや評判はどうか
インターネット上の口コミサイトやSNSなどで、実際にその業者を利用した人の感想や評価を確認することも重要です。良い評判だけでなく、悪い評判も確認することで、より客観的に業者を評価することができます。ただし、口コミはあくまでも個人の感想であるため、参考程度にとどめ、最終的には自身の判断で業者を選ぶようにしましょう。
海洋散骨の流れ
初めての海洋散骨では、どのような流れでサービスを受けられるのかわからない方が少なくありません。ここでは、海洋散骨サービスの一般的な流れをご紹介します。
お問い合わせ・相談予約
まずは、海洋散骨業者を選定します。電話やメール、ウェブサイトの問い合わせフォームなどで業者に連絡します。この段階では、疑問点や不安な点を解消するために、さまざまな質問を積極的に行なうことが大切です。たとえば、散骨エリア、プラン内容、料金、当日の流れなど、気になることは何でも相談しましょう。複数の業者に問い合わせて、比較検討することもおすすめです。
プランの検討と申込み
業者との相談を通して、希望に合ったプランを選びます。海洋散骨には委託散骨、合同散骨、チャーター散骨など、さまざまなプランがあります。それぞれのプラン内容、料金、メリット・デメリットを比較し、故人の希望や遺族の想いに沿ったプランを選びましょう。プラン内容には、散骨場所、献花、献酒、散骨証明書の発行などが含まれる場合があります。また、乗船人数やペットの同伴が可能かどうかなども確認しておきましょう。プランが決まったら、正式に申し込み手続きを行ないます。契約書の内容をよく確認し、不明点があれば質問しましょう。
遺骨の受け渡しおよび粉骨処理
海洋散骨を行なうためには、遺骨をパウダー状に粉骨する必要があります。これは、海洋環境への配慮と、故人の遺骨が速やかに自然に還るためです。粉骨処理は、業者に依頼することも、自身で行なうことも可能です。業者に依頼する場合、遺骨の受け渡し方法や粉骨にかかる費用、期間などを確認しましょう。自身で粉骨を行なう場合は、専用の粉骨キットを使用するなど、適切な方法で行なう必要があります。また、自治体によっては粉骨に関する規定がある場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
散骨当日の準備
散骨当日は、天候に合わせた服装を準備しましょう。船上は陸地よりも気温が低くなる場合や、波しぶきがかかる場合もありますので、防寒対策や防水対策をしておくと安心です。また、船酔いが心配な方は、酔い止め薬を服用しておきましょう。持参する供物や献花、献酒などは、事前に業者と相談して決めておきます。故人との思い出の品や手紙などを持ち込むことも可能です。当日の持ち物や注意点については、業者から事前に案内があるはずです。不明な点があれば、遠慮なく問い合わせましょう。
海洋散骨の実施
いよいよ海洋散骨です。散骨場所は、故人の希望や遺族の想いに基づいて決定されます。船上で献花、献酒、黙祷などを行ない、故人を偲びます。その後、粉骨した遺骨を海へ散骨します。散骨方法は、業者によって異なる場合があります。花びらや風船などを一緒に散骨することも可能です。この厳粛な瞬間は、故人との最後の別れであり、新たな旅立ちの始まりでもあります。大切な思い出を胸に、故人の冥福を祈りましょう。
散骨後の帰港と終了
散骨が終了したら、港へ帰港します。業者によっては、散骨の様子を撮影した写真や動画を提供してくれる場合もあります。これらの記録は、故人を偲ぶ大切な宝物となるでしょう。散骨後の手続きやアフターサポートについても、業者に確認しておきましょう。
散骨証明書の発行
散骨を実施した場所や日時などを記した散骨証明書を発行してくれる業者もあります。これは、海洋散骨を行なった証として、遺族にとって大切なものとなります。証明書の発行有無や費用については、事前に業者に確認しておきましょう。
アフターケアとオプションサービス
業者によっては、散骨後のアフターケアやオプションサービスを提供している場合があります。たとえば、散骨した場所への定期的な訪問や、故人を偲ぶ会の手配などです。これらのサービスを利用することで、故人への想いを継続的に表現することができます。どのようなアフターケアやオプションサービスがあるのか、事前に業者に確認しておきましょう。
海洋散骨のマナー・注意点
海洋散骨では、節度ある行動と周囲への配慮が不可欠です。ここでは、どのような部分に注意すればいいか解説します。
周囲の人(地元の人や漁業関連の人)たちに配慮する
海洋散骨は、漁業関係者や地域住民の生活圏内で行なわれる場合もあります。そのため、その人たちの理解と協力を得ることが重要です。散骨を行なう際には、事前に地元の漁業協同組合や自治体に連絡し、散骨を行なう日時や場所、方法などを伝え、理解を求めることが大切です。
また、散骨を行なう海域が漁場となっている場合は、漁業活動に支障が出ないよう、漁船の航行や漁具への影響に配慮しましょう。地元住民の生活や文化、信仰にも配慮し、散骨場所周辺の環境美化にも努めることが大切です。円滑な関係を築くことで、故人を偲ぶ気持ちもより深く、穏やかなものとなるでしょう。
慎重に散骨エリアを選定する
海洋散骨を行なう海域は、法律や条例で禁止されている区域を避け、適切な場所を選ぶ必要があります。一般的には、海岸から一定の距離が離れた沖合や、水深が十分にある場所が選ばれます。養殖場や定置網漁場、海水浴場、ダイビングスポットなど、他者の活動に影響を与える可能性のある場所は避けましょう。
また、船舶の航行に支障がないかどうかも確認する必要があります。環境保全の観点から、海洋生物の産卵場所や生育場所、貴重な生態系が存在する海域での散骨は避けるべきです。散骨業者の案内に従い、適切なエリアを選定することで、自然環境への影響を最小限に抑え、故人を自然に還すことができます。
遺骨の粉骨処理は必須で行なう
海洋散骨を行なう際は、遺骨をパウダー状に粉骨する必要があります。これは、遺骨が速やかに海水に溶け込み、自然に還ることを促すためです。また、粉骨することで、遺骨が海面に漂ったり、海岸に流れ着いたりするのを防ぐことができます。
粉骨の方法は、専門の業者に依頼するのが一般的です。業者によっては、散骨と合わせて粉骨サービスを提供している場合もあります。粉骨の際には、遺骨の取り扱いに細心の注意を払い、故人への敬意を忘れずに行なうことが大切です。適切な粉骨処理を行なうことで、海洋環境への影響を最小限に抑え、故人を自然に還すことができます。
宗教・宗派による違いに留意する
海洋散骨は、宗教や宗派によって考え方が異なる場合があります。一部の宗教や宗派では、海洋散骨を認めていない場合もあるため、事前にご自身の宗教や宗派の教えを確認し、必要に応じて宗教者や専門家に相談することが大切です。
また、家族や親族の理解を得ることも重要です。海洋散骨について十分に話し合い、理解と合意を得た上で実施することで、故人を偲ぶ気持ちを共有し、穏やかな気持ちで供養を行なうことができます。それぞれの宗教や宗派の教えを尊重し、故人の遺志と家族の想いを大切にしながら、適切な方法で海洋散骨を行なうことが重要です。
海洋散骨に関する法的な情報
海洋散骨は違法ではない?
海洋散骨は、法律で明確に禁止されている行為ではありません。適切な方法で行なわれるぶんは、現行法上問題ないとされています。
海洋散骨に関するガイドラインはある?
法的な拘束力はありませんが、一般社団法人日本海洋散骨協会や厚生労働省が作成したガイドラインがあります。これらのガイドラインは、海洋散骨を適切に行なうための基準を示すもので、環境への配慮や周囲の人々への配慮などが含まれています。業者を選ぶ際には、このガイドラインを遵守しているかを確認することが重要です。
海洋散骨で留意すべき自治体の決まりは?
海洋散骨に関する法律や条例は国レベルでは存在しませんが、一部の自治体では独自のルールを設けている場合があります。たとえば、特定の海域での散骨を禁止していたり、散骨を行なう際に届け出が必要な場合もあります。散骨を検討している海域の自治体に確認し、必要な手続きやルールを事前に把握しておくことが大切です。
以上、海洋散骨に関する法的な情報でしたが、信頼できる海洋散骨業者に依頼すれば、法的な部分で問題が起きる散骨を行なうことは、まずありません。安心して海洋散骨を実施することができます。
まとめ
海洋散骨は、自然に還りたいという故人の想いを叶える供養のスタイルとして注目を集めています。経済的な負担が少なく、墓じまいの必要がないなど、さまざまなメリットがある一方で、散骨場所が分からなくなる、親族の理解が必要といったデメリットもあります。そのため、海洋散骨を行なう際は、信頼できる業者を選ぶことが大切です。